【栗原政史おすすめ】愛らしくて、凛々しいロシアンブルー!性格や飼いやすさは?

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どのような猫もそれぞれに個性があって思わずぎゅっと抱きしめたくたくなるものですが、数ある猫種の中でもとくに人気が集中する種類が存在します。ロシアンブルーはまさにそのひとつといえて、特に子猫は静かで可愛らしく飼いやすいため人気があります。

 

シルクのように極めてすばらしいグレーブルーで、絨毯のようにしなやかな毛並みとロイヤルグリーンの瞳が快く映る、ロシア北西部を原産としたロシアンブルー。『ボイスレスキャット』とも呼ばれるように、気持ちが落ち着いていて物静かで大きな鳴き声をあげない静かな猫として認知されています。

 

ロシア皇帝にも特別に愛されたともいわれているロシアンブルーについて紹介しますので、ぜひ家族の一員としてずっといつまでも片時も離れずに暮らしていくための参考にしてみてください。

 

 

ロシアンブルーとは?


ロシアンブルーはロシア原産で人為によらず自然に生じた種であるともいわれていますが、いろいろな説があるためにはっきりしたことは分かっていません。18世紀頃には北欧やイギリスにおいて世間から評価され人気を獲得したものの、第二次世界大戦で大幅に個体数が減少してしまったことによって、絶滅という悪い結果が予測される望ましくない危険な状態になってしまいます。

 

このままの状況ではよくないと認識した、アメリカやイギリスのブリーダーによる繁殖計画のもとで個体数は次第に回復したことによって、本来のロシアンブルーの姿を取り戻すことに成功しました。そのため、ロシアの土地の呼び名が含まれている『アルハンゲルキャット』『アークエンジェルキャット(アルハンゲルの英語名)』、ロシアの領土の外で付けられた『スパニッシュキャット』『フォーリンブルー』『マルティーズキャット」』と呼ばれることもありました。

 

ロシアンブルーは三角形に似ている頭の形状で長くすらっとした身体つきをしていますが、とても厚く優美なダブルコートであるために実際にはより大きく見えます。大きな耳を持ち広いおでことまっすぐに通った眉間から鼻先までの線は、威厳があってりっぱな風情で『ロシアンスマイル』と呼ばれている微笑んだような表情でも知られています。抜け毛が他の猫と比較して少なく、さらにアレルギーの原因となる抗原物質として知られる糖タンパク質Fel d1の産生量も他の品種と比較して少ないため、アレルギーの人にとっては比較的一緒に暮らしやすい猫といえます。

 

 

ロシアンブルーは飼いやすいの?

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ロシアンブルーは子猫の時に過不足無く望ましい方向に教え導ければ、賢く穏やかで性質や態度も従順で飼いやすい猫です。神経質で警戒心が強い猫であるということを常に心に留めながら、状況に合っていてふさわしい環境作りやしつけを行っていきましょう。

 

一般的観点からすると猫は『遠慮や気がねをせずに自分の思うままに行動する』と言われますが、正反対に感じられるロシアンブルーの性格は『犬に似ている』と言われる事例が頻繁にあるようです。その理由は飼い主さんに素直で偽りの無い心を持ち、大人しくて飼い主さんの言うことをよく聞く行動をとるためだとされています。

 

しかし誰に対しても従順というものでもなく、意のままになる相手を選ぶという一面もありますので、家族の中でも『この人には従うけど、この人のことはそれほどでもない』などと選り好みすることがあります。いずれにしても自己を大切に思い尊重する傾向が強いということだけは間違いなさそうです。

 

自分が認めた相手には他の何物ともくらべようもない存在とも言えるほど、親愛の情を抱く性格や気品すら漂う美しさから、ロシアの皇帝や貴族たち、英国の貴族階級の間でも大変愛されたと伝わっています。

 

猫は普通細かなことにこだわらず気持ちの余裕があるため、他人に無関心な性格である子が多いのに対して、ロシアンブルーは『人』をはっきりと見分けて正しく理解する行動をします。そのため、人にに対したときに感じたり考えたりしたことを変えることができる、究極の人見知り猫といえるでしょう。賢くて態度が穏やかで従順な種類であるからこそ、本当に信頼している家族にはすっかりたよりきり甘えてくれますので、飼いにくいということはありません。

 

 

ロシアンブルーの性格

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ロシアンブルーの名前の起源ともなっているアッシュブルーの美しい毛並みの色彩が、動きによって漸次変化してゆくことに伴って変化する様子は、ずっと見ていても退屈することがありません。特徴的な毛色に対して非常に鮮やかなブルーの両目がひときわ美しく目立った外見から、感情を表に出さない性格なのではとか懐かなくてわがままに振る舞う性格なのではと考える傾向もあるようですが、果たして実際のロシアンブルーの性格はどうであるかについて紐解いていきます。

 

個体差はありますが鳴き声は小さく柔らかいことが多いため、正式の名称以外に『ボイスレスキャット』と呼ばれるほど、純粋な血統の中でもおとなしく穏やかな性格です。小さく柔らかな鳴き声は静かですので住宅密集地でも十分一緒に暮らしやすい猫種ですが、猫の中には成長と共に緊張感を持つことがあるので生活環境には気をつかいましょう。

 

誰にも邪魔されずにマイペースな性格の種類が多い猫ですが、頭がよく真心をこめて飼い主さんに向き合い献身的に接するために『犬のような猫』と例えられることもしばしばですが、警戒心が強くて臆病な一面もあります。用心深い性格から来客は苦手で、大勢の人が集まっているときは隠れてしまうこともあります。あまり騒がしい場所は好まない性格で、『信頼している飼い主と時間を過ごしたい』というタイプの猫です。

 

 

ロシアンブルーはどんな病気にかかるの?

いくらどんなときにも気を付けていても、どれだけ非常に細かいところまで注意を配っていても、残念ながら病気にならないという保障はありません。だからこそ『起こりやすい病気』を知っておくことで、早期発見・早期治療につなげられるようにしてあげることが必要です。

 

肥満症

肥満症は体脂肪が本来必要とされている量を超えて蓄積されることで起こる症状です。このことによって起こる直接の問題は運動量の低下や呼吸が浅くなるなどが挙げられますが、本当に恐ろしいのは多種多様の病気を引き起こすきっかけになるという点です。肥満の状態から適正体重に戻すことの難しさは多くの飼い主さんも身に覚えがあるはずですので、そのような辛いことから来る苦しみを猫にも負わせてしまうことがないように、どんなときでも肥満にならないように摂取カロリーと運動を気にかけてあげることが大切です。

 

糖尿病

糖尿病は血糖値を下げるための体内ホルモンである『インスリン』の作用が不足したり不完全な分泌によって代謝の異常を誘起する病気です。この悪い結果を招く確率を下げるために普段の正しい食生活はより重視する必要があることを意識しておきましょう。猫の糖尿病の主な症状は、『普段以上に水をよく飲む』『おしっこの量が増える』『急に歩き方がぎこちなくなる』『体重が減少する』などが挙げられます。このような変化が見られたら迷うことなくいつも診察してもらっている動物病院に連れて行きましょう。

糖尿病は早期発見と進行の防止することが重要なことですので、そのことを強く意識するようにしてください。また体の免疫力が低下するために合併症として重篤な病が発症しやすいことでも知られています。悪化すると定期的なインスリン注射が必要になるなど、猫にとっても飼い主さんにとっても大きな負担となってしまいますので、十分に注意をしてあげましょう。

 

尿路結石(尿石症)

尿路結石は、本来必要とされている量を超えて摂取した塩分中のミネラルが、膀胱や尿管で液体から個体に変化してしまう病気です。痛みや出血のほか、ひどくなると膀胱にたまった尿が尿道から排泄される際にこの結石がつまってしまい、尿毒症や急性腎不全を引き起こすこともあるため、手術が必要となったり生命が失われるおそれがあるほど重大な問題にもなりかねません。

猫は水を必要以上に飲まない種類の動物とされており、尿路結石のリスクが高いといわれています。それは猫の祖先とされる種が乾燥しすぎることが原因で植物が生育できない地域でも生きられるように進化して、必要以上に水を飲まなくても体に取り込まれた水分を効果的に活用できるようになったからだと考えられています。さらにロシアンブルーについては遺伝的なメカニズムによって腎臓が備えている能力が弱い子がいる事実がはっきりしているので、尿路結石に対して注意してもし過ぎることはないため、水を出来るだけ飲ませたりフードをウェットタイプにするなど、予測される事柄に対して事前に対応することが必要です。

 

 

【まとめ】

とても静かなロシアンブルーは集合住宅やマンションでも一緒に暮らすことができます。小さな子どものいる家庭やいつも騒がしい大家族よりは、一人暮らしや年配の方の家庭の方が向いている猫種です。短毛であるために世話をすることも比較的簡単で非常に飼いやすい猫種といえますが、肥満や泌尿器系の疾患など一部注意しなければならないこともありますので是非ともこの記事を参考にしてみてください。

 

ロシアンブルーとともに過ごす穏やかな時間は、その賢さと優美なしぐさで癒しと安らぎをもたらしてくれるため、飼い主さんにとっての大切なパートナーとなることは間違いありません。ロシアンブルーは飼い主さんのことが大好きですので、真摯な気持ちで答えてあげられるように何ひとつ不自由のない生活を、かわいがって大切にしている猫に約束してあげましょう。